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【ヘタリア】魔法少女×枢軸×連合=カオス【APH】

第1章 変身すると幼女になるのはなぜですか


「マジでなんで」

途方に暮れた幼い声が、唇から転がり出た。

ちっちゃくなった手のひら、柔らかく折れそうな腕、低い視線、近い地面。

そして目の前にはウッヒョーイ! とかつてない程ハイテンションで本田フラッシュをかましまくっている菊。

「憂いのある表情の幼女もいいですね! あっ視線はこちらに!」

などと喚いている。なぜ忍者装束なのかにはツッコミたくないし絶対ツッコまない。

「どうしてこんなことに……」

乾いた笑みに口元が引きつる。

ことの始まりは、少し遡る……





◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

「マンガを描きたいんだ!」

世界会議場に、そんなすっとんきょうな宣言が轟いた。

声の主はもちろんアルフレッド。

おなじみの何も考えていない……じゃなくて快活な笑顔を満面に浮かべている。

「はぁ? またてめぇは何を言いだ――」

「だから君たちに協力してほしいんだぞ!」

「ごめん、お兄さん“だから”の脈絡が理解できないな」

「大体絵とか描けんのかよ」

「もちろんさっ! 菊を手伝っていたから、それなりに描けるんだぞ」

得意満面なアルに、菊が「あはははは」と完璧に開き直った笑みを浮かべる。

アーサーと私は同じタイミングで嫌そうに顔を歪めた。

面倒ごとになりそうな気配がぷんぷんする。

会議場の面子も、揃って全く気乗りしていない。

全会一致――賛成が一人いたか――で否決されそうだ、と安心する。

アルは構わず説明を続けた。

マンガのキャラクターは各国をモデルとしていて、より面白く描くために実際に各国に“演じてもらう”。

それを元に描く、これが彼の言う“協力”らしい。

「なんだい君たちその反応は。主人公はドイツ国民全員だぞ!」

ガタンッと誰かが立ち上がり椅子が倒れる。

にわかにざわめきだす会議場。

私は耳を疑った。

んん? アルフレッドさん今なんて言ったのかしら?
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