第8章 君を驚かせたい※
「ゲンガー、ごはんだよー?
……ゲンガー?」
ゲンガー好みの辛味フーズの袋を
小脇に抱えて辺りを見渡す。
普段なら呼べばすぐに影から頭を出すけど
何故かちっとも見当たらない。
ぺたぺた、と自分の影を探るも
土の感触があるばかりだ。
「いた」
研究所の扉を開けば珍しく博士と
並んでテーブルを見ている。
後ろから覗き込むとみんなが前に
撮ってきた写真が散らばっていた。
博士は唸り、何かを考え、
やはりゲンガーも思案顔をしている。
「なにしてるんですか?」
「うわ!?……あ、あぁ……
どこから研究したものかなってね」
ゲンガーはと言えばおもむろに
写真と私の顔を見比べた。
博士がそのゲンガーに向かい、
1つの写真を指差してみせる。