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ゲンガー夢

第5章 すてきなあくむ


「実は、僕にはすこし心当たりがある。
何故こんな事がおこってしまったのか。
人間の生命活動に大きな影響を与えながら
なんの後遺症もない。ポケモンが、
……ゲンガーが関わってるんだろう?」

「……!」

ビク、と肩が揺れてしまい隠すように
両腕を抱く。震えが出ただけ、
なんにもなかった。ゲンガーは悪くない。

「昔はレンティル伝承を聞いて情報を
まとめたりもしていたんだ。他の地域の
ゲンガー伝承とは少し違っていてね。
わるいこを"迎えに来る"んだ。
この土地のゲンガーは魂をさらうんだよ」

博士が話を区切るとタイミングが
良いのか悪いのか半べそのリタが
土鍋をもってズンズンと戻ってきた。

「いっ、いっぱい食べて、おかゆ……!
もう倒れたりしたら嫌だからね!」

ドカ、と置かれた土鍋から立ち上る
優しい出汁の香り。自然とおなかが鳴る。

「戻ってきてくれてありがとうレナ」

博士の言葉とリタの涙に、そして、
それでも清々しく楽しかった"悪夢"に
指先が冷たくなるのだった。
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