第19章 利害と信頼/ユナイト編4
所内を歩いているとゼラオラが見え、
思わず体が強張ったものの
ポケモン違いだったようだ。
知らないゼラオラを眺めながら、
やはり夢だったような気持ちになる。
基本的にポケモンは個人所有ではない
ので管理団体に入った予約から
試合シフトを組まれて活動している。
リン博士に融通を聞かせてもらって
同じゼラオラと沢山一日に
試合をしていたけど他の選手はちがう。
決まったポケモン、かつ同じ個体
が良い場合はシフト調整で
合間をぬいながら試合する事になる。
私はゼラオラと早朝から夕方前まで
ずっとユナイトをしていた。
夜に自主的な練習をしていた辺り、
ゼラオラはシフトがいっぱいな訳では
なかったのだろうけどそれでも特殊だ。
もし、私がまた試合をしようとしても
ゼラオラとこれまでのように
関わる事はない。
能力からも、環境からも。
首もとにあるマフラーを和らげようと
してもうない事に気がつく。
私の体はどうやらエナジーを
保有できなくなったらしい。