第3章 お近づきになりたい
「はあ……」
あれから移動して暴れるランパルドや
吠えるサザンドラを見かけた。
ここから奥の地帯はさらに蒸し暑く、
そこの湿気を好んでドラゴンタイプたちが
集まるようだった。
あまりそちらのエリアに近づくのは
生身の私としては得策ではないだろう。
グレッグルたちも湿気を好む筈だが、
水場とはいえあの周辺にいるのは
ドラゴンタイプたちとの衝突を
避ける為なのかもしれない。懸命な判断だ。
しかしこれだけ探しても
目的のゲンガーは見当たらない。
一応、今回は野生のドラゴンタイプを
カメラに収める事が出来たので
全く成果がない訳ではないが……。
代わりにグレッグルたちとは
なんとなく仲が良くなった気がする。
キャンプに戻れば私に気がついた一匹が
コチラに近づいてきた。
ケロケロと頬を鳴らす姿は愛らしい。
野生のグレッグルがこんなに穏やかとは
レンティルに来るまで全く知らなかった。
できるなら触れあってみたいものの、
グレッグルの前足は毒手と言われるらしく
博士にも事前に注意されている。
むやみに触らない方が良いだろう。