第13章 表裏一体(下)
2つのポッドが見慣れないケーブルで
繋がれており、その中の1本はカガミが
何らかのコードを打ち込んでいるPCだ。
ドヤ顔でエンターキーを高らかに鳴らすと
ネオワン号のバリアが閉まった。不安だ。
ゴウンゴウンというエンジン音がし、
体が横に引き伸ばされて千切られるような
つよい不快感に襲われる。
不意に眩暈がし、頭を振る。
気づけばモンスターボールの中に居た。
「!」
いつもの体だ……!
半透明なボールに顔をつけて外を伺う。
……終わったんだろうか?
今ボールを開けたらレナが……
なんて事はないんだよな……?
「おいで、ゲンガー!」
「ゲゲゲッ!!」
視界が白く弾け、ボールが開く。
まるで寝起きのように光が眩しい。
そこには随分見てなかったレナがいた。
「ゲンゲロゲーッ!」
「うわ、あはは!」
飛びつくと強く抱き締められる。
あの白いやつはやっぱ駄目だ。
笑ったレナも見れないし、
こうして抱き締めてもらえないんだから。
END.