第13章 表裏一体(下)
ポケモンの出生がタマゴと判明している
今だからこそ否定できるが、
ゲンガーは親となる個体がいない
"発生するもの"だと思われていた。
ゲンガー=憑ピクシー説もそうだ。
もっともゲンガーに限らず
ゴーストタイプによくある習性だし、
わりと他のポケモンもタマゴや番を
ほったらかす部分はある。
ゲンガーは個体数が少ない事もあり、
生態はほとんど解明されておらず
ポケモン図鑑はほぼ伝承を載せている。
さて、生態ではゲンガーは
群れないし番関係もほぼない。
だが、ここハナレ洞窟のゲンガーは
本当に従来のゲンガーと"同じ"だろうか?
ここのゲンガーはナワバリを意識し
コミュニケーションを取り合う。
今さっきのゲンガーがレナが
捕まえたゲンガーだとしたら、
なぜ獲物として襲わなくなったのか。
以前はハナレ洞窟からフロレオ島までの
物理的距離があるにも関わらず
その命を狙うことが出来た筈だ。
意識と体温を奪い瀕死にまで追いやった。
つまり、いつでも殺せるということだ。