• テキストサイズ

ゲンガー夢

第13章 表裏一体(下)


それから幾日もたって、
私は少しずつ出歩けるまでになった。
博士は何も言わないし、
頼まれればポッドで撮影にも行く。
そう、最初に戻っただけ。

「レナ、実は……
君に留守番を頼みたいんだけど」

「留守番、ですか……?」

「ああ、ハナレ洞窟にちょっと用がね。
その間ここを空ける事になる。
君に行かせるよりは
ここの管理を任せた方が良いかなって」

ハナレと聞き体が強張る。
博士は曖昧に笑うと話はそれだけ
とばかりにPCに向き直った。
私も、という言葉は喉でつっかえて
けして出てくる事はなかった。
震える手を握りしめる。

なんで?どうして?なんで。
私はハナレに行きたいの?なんで。
ゲンガーに会いたくないでしょ?
どうして。

「……大丈夫かい?」

「あ……は、はい」

ハッとして立ち上がる。そして
逃げるようにその場を後にした。
/ 227ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp