第2章 【沙明】月蝕
「俺を見てくれよ」
そう言った沙明の顔で、私の視界は一杯になった
ああ、目が合ってしまった
目が合ったらきっと戻れなくなる
どこかでそんな気がしていた
敵味方が入り乱れ、それぞれ帰る場所も違う
そんな状況で変に情を移したくなかった
見つめ合った彼の目は、少し寂しさを宿していた
それを見た私は、彼を拒む気になれなかった
いや、元々拒む気なんてなかったのかもしれない
怒ったような、悲しんだような彼の瞳に表情に
魅せられた私は、静かに目を閉じた
ーー月をかくされてしまったおひめさまは
月にかえることができなくなってしまいましたーー
二人で寝転んで'そら'を見上げる
「地球から見える風景らしいよ」
「ふーん。てっきりお前の故郷の星かなんかかと思ったぜ」
「故郷を思って空を眺めるなんて、それこそジナが話してた月のお姫様の話みたいだね」
それから二人で空間転移の時間まで
ゆったりした時間を過ごした
終