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【グノーシア】星々のまたたき【短編集】

第2章 【沙明】月蝕


俺には今、気になる奴がいる
アカリだ

さっきも、お近づきのしるしに飯に誘ったが
「用事があるから」つって断られちまった
まあツレないのも逆に燃えますけどね

俺はテキトーに腹ごしらえしてから、暇つぶしに展望デッキに行くことにした
そしたらアカリがいた
何してんのかと思ったら、寝っ転がって星見てた

……用事ってこんなことかよ
そう思ったらなんかちょっとムカついた

「何してんだ?」
「……沙明」

アカリは一度視線をこっちへ寄越した後、
また天井に視線を戻した
こんな男前が目の前にいんのに、どうかしてるぜ

「……なぁ、それそんな面白いかよ」
「……。沙明も一緒に見る?」

いや、俺が聞きてェのはそんなことじゃなくて……
とりあえず、拒まれてはねェみたいだし、それをいいことに近づく
アカリは変わらず一点を見つめてる

その無防備さと、どっかに行っちまいそうな危うさ、
何より、俺よりも星に集中する様子に、怒りや焦りみてーなモンを覚えた
……星に嫉妬っつーのも意味わかんねぇけどな
俺もイカれちまったもんだぜ

「なぁ、」

あんな、どこにあるかわからねえ遠くの星じゃなくて

「今目の前にいる俺を見てくれよ」

自分を見てほしくて、視界を遮るように覆いかぶさった
そん時初めて、アカリとちゃんと目が合った
きれェな目してんな……
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