第2章 #01 憧れた雄英
【 なあ知ってる?アイツ、無個性なんだって 】
幼い頃、わたしの個性が発現したあとに、出久が無個性なんだと知った。
今では珍しい、何も持っていない個性。
その絶望の表情をわたしは知っていた。
それでも、オールマイトに憧れて頑張っている出久を応援していた。
…個性を持っているわたしが、出久を応援しているのなんて、偽善者て思われても仕方ないのかもしれないが…。
「緑谷!?お前は無理っしょ!」
「天羽はまだ勉強できっし、個性もあるからいいけどよ!!」
「無個性に何がやれんだよ!!!」
「没個性どころか無個性のてめえが、何で俺と同じ土俵に立てるんだ!?」
かっちゃんまでブーイングに割り込んできた。
『もーー!騒がないでーー!!その規定なんてもうないし、前例がないだけなんだから!!』
「イヴちゃん…」
『ね、だからがんばらなきゃ!!』
席の近い出久は、泣きそうな顔でうんと言ってくれた。
チリチリと爆破の音が聞こえてくる。
『かっちゃんもヒーローになるんなら、そんなこと言ってないの!!!!ヒーローはそんなこと言わないでしょ!!!!』
「チッ」
舌打ちをしたかっちゃんは、そのまま自分の席へと戻っていった。
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