第2章 #01 憧れた雄英
「えー、お前らも3年ということで…本格的に将来を考えていく時期だ!!」
教室に響き渡る担任の声。
中学3年になったかっちゃん、出久、わたしは同じ教室にいた。
「だいたいみんな、ヒーロー志望だよねえ」
担任の声以上に教室は盛り上がりを見せている。
さまざまな個性を披露する生徒たち。
一番後ろの席にいるわたしは、苦笑いしつつみんなを見ている。
今の現代、ほとんどの子供がヒーローという仕事に憧れている。
わたしたちもその1人に過ぎず、憧れのヒーローになるために一生懸命勉強している。
「先生え!!!!!みんなとか一緒くたにすんなよ!!!!!俺はこんな没個性共と仲良く底辺なんざ行かねえよ!!!!」
沸き起こるブーイングなんか、彼は気にしちゃいない。
『かっちゃん、相変わらずだなあ』
かっちゃんが雄英を目指しているのは知っていた。
もちろんわたしも、同じく雄英を目指している。
いわばライバル。
「そういや緑谷、天羽も雄英志望だったな」
担任の一言で、ばっとわたしと出久に視線が向いた。
そう、出久もわたしたちと一緒で雄英志望だ。
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