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君のガラス玉越しに【呪術廻戦】

第2章 出会い


「鈴、今日はどうしたの?朝からバグってない?」

 昼休みはいつもクラスメイトの絵里奈と帆花と過ごしている。
 絵里奈は鈴の前の席に座る、学級委員のしっかり者。いつも明るい帆花は陸上部に所属するスポーツ万能女子。

「そうそう!後ろから見てたけど、すごいチラチラ伏黒の方見てたじゃん。どしたの?伏黒に変な虫でも付いてた?」

 絵里奈も帆花も、もう親友と呼べるほど仲が良い。二人になら話してもいいかもしれない。

「えりちゃん、ほのちゃん……。私、伏黒くんのこと、好きかもしれない……」

 顔を真っ赤にした鈴の告白に、絵里奈と帆花は一旦顔を見合わせて、次の瞬間吹き出した。

「まさかの伏黒!?マジ、ウケるんだけど!」
「やだ、本気?あいつ不良だよ?やめときなよ」

「ひ、ひどい……」
 話したことを秒で後悔した。恥ずかしくて悲しくて泣きそう。

「ごめん、ごめん」と言いながら絵里奈はよしよしとうつむいた鈴の頭を撫でる。

「鈴って可愛いよね〜。目くりくりだし、髪の毛ふわふわしてるしー。田辺が好きになるのもわかるわぁ。あいつ失恋確定だけど。ざまーみろ」
「ほんと、ほんと。メガネやめて、コンタクトにしたら?きっと学年一モテモテだよ」

 親友たちは鈴の顔を覗き込む。
 肩までの淡い茶髪はふわりと自然にカールしていて、印象的な深緑色の大きな黒目。メガネなのは玉に瑕。
 小柄で華奢な鈴はクラスでも1、2を争うぐらい可愛いし、若干天然ボケが入った性格だって愛らしい。

「とはいえ、伏黒ねぇ…。他にいなかったの?」
「でもあいつ、中2のときより落ち着いたよね?前はもっと荒れてたじゃん」

「そうなの?」と鈴は首を傾げた。去年の彼の話ができる二人がちょっとうらやましい。

「まあ、こないだ田辺たちシメてたから、そんなには変わんないか!」


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