第5章 夢の行方
最近よく同じ夢を見る。
K高校の制服を着て、渋谷のスクランブル交差点に立っている夢。
志望校に受かったのに、なんか全然嬉しくなくって。
隣に立った男の子が、次はどこ行こうか?なんて話しかけてくる。
信号が青になって、歩き始めると懐かしい人に出会ったの。
見慣れない紺色の制服。ツンツンしたウニみたいな頭。
伏黒くんだってすぐにわかった。
だって、私の大好きな人だったから。
オレンジの髪のパーカーの男の子と、茶髪のおしゃれそうな女の子と一緒に歩いてる。言い争うように話しているのがなんだか楽しそうで。
伏黒くん、私のことなんてもう忘れちゃったかな?
私もあの中に入りたかったなぁ、なんて。
だって、私はずっとあの場所にいたかったんだよーー。