• テキストサイズ

君のガラス玉越しに【呪術廻戦】

第2章 出会い


 
 2017年4月8日 さいたま市立浦見東中学校


 始業式を終えた後、小柄な女子生徒は担任教師の後ろをついて歩く。今日からこの中学に通うことになった転校生だ。
 担任が教室のドアを開けると、一斉に好奇に満ちた視線が集まった。

「蓮見 鈴です。よろしくお願いします」
 担任からの簡単な紹介の後、鈴は黒板の前で頭を下げた。
 転校は初めてではなかったけれど、メガネ越しにクラスメイトの様子を伺うような視線はいつも慣れなくてくすぐったい。でもそれもしばらくの辛抱だろうと経験上思う。

「蓮見さん、よろしくね」
 担任が教えてくれた自分の席へと向かうと、ちょうど前の席になった明るそうな女の子がにこっと笑ってくれて、ちょっと安心した。仲良くなれそうだ。

「…あの、よろしくお願いします」
 一応、後ろの席のツンツンした黒髪の男子生徒にも挨拶する。

「…よろしく」
 愛想なくそっぽを向いたまま答えた男子の名札を見る。
(伏黒くん、かぁ…)

 第一印象は愛想が悪くてとっつきにくそうな人。だけどすぐにその印象は180度変わることになる。

/ 94ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp