第14章 ゲームチェンジャーと玻璃の核
“鶯丸”は私の勢いに圧されたように、じり、と半歩後退する。
同じタイミングで、背後から鶯丸が一歩前に出た。
「政府の人間から、これをここの鶯丸に渡せと言われている」
そう言って、USBメモリを“鶯丸”に差し出した。
訝りながら、彼は刀を下ろす。
「主の置手紙だそうだ」
「……!」
明らかな狼狽を見せて、彼がメモリを受け取った。
すぐさまポケットからスマホのような端末を取り出し、そこに挿入する。手元が彼らしくなくまごついていた。
やっぱり、“鶯丸”の主になにかがあるんだ。
「教えて、なにが起きてるのか」
「……」
ディスプレイを食い入るように見る“鶯丸”は、またもや沈黙を返してきた。
「神様を核にしてまで守る実験場ってなに? あなたをここに縛り付けているのは誰なの? そいつはなにをしようとしているの?」
画面に釘付けになった目がこちらを向くことはなかったが、不思議と声は届いている気がした。
「あなたを必ず解放する。絶対にね」