第67章 後悔　❇︎

「んん、あっ、んぁっ！」

唇を離し、杏寿郎は首筋に舌を這わせる。
すると、水から出された魚の様に体が跳ねる。


すごい反応だ。
こんなになってしまうほど薬が効いてしまっている。
そして、泰葉の身体に付けられた赤い印。


首の後ろには付けた覚えがあるが、前側には杏寿郎は付けていない。


この鎖骨あたりや腹などに付けられた無数の印は、男共に付けられたのだろう。
そう思うと、腹が立つ。


そして、今口吸いをして唾液を吸収した筈なのに、一向に引かぬ赤み。



杏「…やはり、泰葉が戦えなくなったのも、傷が治らぬのも…。
役目を終えて、消えていったのだな。」


その印を上塗りする様に、あの男のものなど消えてしまうように、杏寿郎は泰葉の肌を強めに吸った。




「ふぅっ…ん、こ、こっち…」



その快感にも悶えながら泰葉の手が自分の秘部に触れる。
もう自分の手なのか、人の手なのかも分かっていないだろう。



「ひゃっ！あっ、あう…」


杏寿郎が肌を吸う軽い痛み、自分の手で触れられる秘部への刺激。
それだけで泰葉の焦点は朦朧としている。


杏「君の指では、イイところに届かんだろう…」

「さ、触って…おねが、い…」



自ら触って欲しいと強請るか。



杏「正気の君がこの事を知ったら…気絶してしまうな…。」


杏寿郎はふっと口角を上げ、胸を刺激していた右手を下へと下ろす。


「ふ、あっ⁉︎」



杏寿郎に向かい合い、膝立の状態でビクビクっと身体を震わせる泰葉。
腹の上をツツ…と指を滑らせただけだが、達してしまったようだ。




杏「これでか…。ふむ。」



杏寿郎は今の泰葉に1番楽な体勢は何かと考える。
膝立の今はガクガクと足を震わせ辛そうだ。



「はぁっ、も…もっとして…」



両手を伸ばす泰葉が甘えるように縋る。
杏寿郎はその様子に身震いがした。





杏「あぁ、もちろんだ。こっちにおいで。」




すると、杏寿郎は泰葉の両腕を取り、左の方を大きく引く。
そして、後ろから抱き締めるような形で、杏寿郎の胡座の上にポスッと座らせた。