第7章 満月
「大丈夫ですよ。あれは私が楯突いたからなので、ただ帰るだけでは何もありません。」
その言葉に3人は固まった。
たしかに道を歩くだけで、絡まれたりしたのを確認したわけではない。
「それに、何だか分かりませんが、私戦えるみたいですし?」
そう言って、泰葉は
「では、また明日。」
と、にっこり笑って行ってしまった。
唖然として、3人は見送った。
確かに泰葉は強い。
いざとなった時、一般男性など、相手にならないだろう。
槇「杏寿郎…。
泰葉さんは、自分を些か下に見ていると思うのだが。」
杏「同感です!」
千「兄上、もう泰葉さんに会いたいです…」
杏「どうか…!よもや!!」
泰葉は煉獄家を後にして、住宅地を歩く。
物陰に隠れながら、後ろをつける男。
男「煉獄家から出てきた…
なんで、君が…
朝にそこから出てくるんだ…
どうして…なんで…」
この男、今でいうストーカーである。
最初は泰葉とのお見合いの話を持ちかけられ、写真を見て一目惚れをしてから、愛情を歪ませている。
昨日、街で泰葉が煉獄兄弟と一緒にいるのを見つけ、一度見失ったものの、煉獄家の者は有名なため、待ち伏せしていたのだ。
そんな奴が付いて回っている事を、泰葉は知らない。
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一方で煉獄家は
千寿郎をはじめ、
全員が泰葉ロスに陥っていた。