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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第56章 残暑と秋



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しばらく、余韻に浸っていると実弥が口を開いた。

実「さぁて。いいもん見せてもらったし、帰るとするかァ。」
し「そうですね、楽しかったです。」

蜜「煉獄さん、泰葉ちゃん、お世話になりましたっ!」


皆が、さぁ…と動き始める。

「えっ?今晩も泊まって行くんじゃないの?」

驚いて泰葉が声をかけると、しのぶが首を振る。


し「私たちは、また次に進む準備をしなくてはなりません。私は患者さんも少ないですがいますしね。」

義「俺たちはまたいつでも会える。会いたくなれば会えばいい。」

天「…てなわけで…ここで解散だ。煉獄の親父さん、千寿郎、世話になったな!」


千「またいつでもいらして下さいね!」

槇「あぁ。ありがとな。」


そう挨拶する中、泰葉は心配そうに口を開く。

「でも、夜道は危ないんじゃ…」

しのぶがクスクスと笑い
「私達に怖いものがあると思う?」
と問いかける。


鬼より怖いものがあるだろうか。
その鬼もいなくなった今、彼女達に怖いものなどありはしない。

「そっか…、でも気をつけてね。悪い男達とか。」

し「その時は毒を打ち込んでやるので大丈夫!
甘露寺さんも男性の腕くらいへし折れます。」

蜜「そうよ!それに伊黒さんもついてるから!」



「…な、なら、大丈夫ね。」

泰葉は心配いらなかった…と苦笑した。





『それじゃ、また!』


別れの挨拶を交わすと、それぞれシュッと姿を消していった。

着物や着流しでも、やはり柱…。
あっという間に静かな空気に戻っていった。





杏「では、我々も戻るとしよう!」

杏寿郎は当たり前のように泰葉を横抱きにして下山する。
泰葉はやはり恥ずかしかったが、もう足元は見えない。
ここは甘えて、このまま行ってもらうことにした。





間もなく山から出る…というときにふわりと良い香りがする。


「ん…この香り…。」

杏「金木犀か…。秋が訪れたな。」

千「その前に夏を終わらせることができてよかったですね!」

槇「西瓜割りに花火…。そうだな。初めてこんなに満喫したんじゃないか?」


これからは毎年、今年以上にたくさんのことができたら良い。
それが叶う世の中になったのだから。




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