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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第7章 満月


泰葉は焼き魚を用意する。
これで煉獄家の夕飯は完成だ。


3つのお膳を用意して、窓の外を見る。

今は夕焼けが綺麗な頃。
今から走れば、暗くなる頃には着くはずだ。


すると、そこへ千寿郎がお膳を運びにやってきた。

千「用意していただいて、ありがとうございます!

…あれ?お膳が3つ…もう一つ見当たりませんでしたか?」


「いいえ。私はこれで失礼しようと思っているので…。」
と、話していると、話が聞こえたのか
槇寿郎と杏寿郎がやってきた。


槇「その事なんだが、先程も夕飯の支度をしたら帰ると言っていたな。
しかし、客人にここまで世話になっておいて、何ももてなしていない。
…だから、今日は泊まって行ってくれないか。」


突拍子もない提案に、吃驚する泰葉。


「い、いえ!そんな、私が勝手に色々な事をやっただけです。」


杏「よもや、確か君の家は浅草にあると聞いたが…
今から浅草に帰るのか⁉︎途中で夜を迎えるぞ!」


千「お願いします!今からお帰りになられたのでは、心配で仕方ありません!」

槇「そうだ、この通り。俺たちの心配も汲み取ってくれ。」


槇寿郎が頭を下げる。
当主に頭を下げられては、断るわけにはいかない。



「わ、分かりました。
では、お言葉に甘えて一晩泊まらせていただきます。」


そういうと、3人はニコッと同じ顔を大、中、小と並べた。
それを見て泰葉はクスッと笑った。



急いで泰葉の分のお膳も用意して、
揃って夕飯を食べる。


『いただきます!』


誰かと食べる食卓はいつぶりだろう。

と、嬉しく思っていると、

それは泰葉だけではなかった。

ここにいる全員が、その気持ちを噛み締めていた。
千寿郎に限っては、今にも泣きそうだ。


泰葉は千寿郎にハンカチを渡す。

「溢れる前に拭いた方が良いわよ。」

そう微笑むと、
千「すみません、僕…嬉しくて…つい…」


そんな千寿郎の姿を見て、眉を下げる槇寿郎と杏寿郎。


槇「すまなかったな…これからは、できる限り一緒に食べような。」



千寿郎は何度も頷いた。




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