第51章 誓い
案の定、心配など要らず
素麺の乗っていた皿は綺麗に片付いていた。
杏「とても美味しかったです!ごちそうさまでした!」
「椎茸の甘煮、美味しかった!後で教えてくれないかしら?」
千「僕も!教えてください!」
花「もちろん!夕方にでも教えるわね。
…その前に、もう少ししたら、皆さんで散歩に出ましょう?」
「お母さん、あそこに?」
花「えぇ。」
槇「…あの場所はここの周辺なのですか?」
智「槇寿郎殿も、いらしたことがありましたか。
そうなんです。ちょっと隠れた場所なんですがね。」
杏寿郎と千寿郎は2人を除いて繰り広げられる話題に疑問しか浮かばない。
「仲間はずれみたいにごめんなさい。どうしても内緒にしておきたくて。」
杏「構わないさ。その分楽しみが増したから。
な、千寿郎。」
千「はい!」
泰葉は2人の様子にホッと胸を撫で下ろした。
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昼食から1時間ほどして散歩に出かけることにした。
ゾロゾロと歩く。
そこは畦道と呼んだほうがいいだろうか。
青々とした田んぼを見ながら歩く。
しばらくすると、木々が生い茂ってきた。
杏「随分と、入り組んだ場所なんですね。」
智「あぁ、他所のひとにはあまり知られないようにしていてね。」
「槇寿郎殿、この辺に見覚えは?」
槇「あぁ。この辺は見覚えがある。
しかし、だとすると…」
槇寿郎が言いかけると、智幸と花枝が立ち止まる。
「杏寿郎さん、千寿郎くん目を閉じて欲しいの。」
2人は言われた通り目を閉じる。
泰葉は杏寿郎の手を取り、花枝が千寿郎の手を取った。
花「泰葉じゃなくてごめんなさいね。」
千「いえ!そんな…!」
ゆっくりと誘導して10歩ほど歩みを進めると、風通しの良いところへと出た。
「さぁ、目を開けて良いですよ。」
泰葉の号令で目を開ける2人。
杏「これは…」
千「わぁ…!!!」