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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第50章 列車の旅



約一ヶ月後
東京駅。


千「うわー!!駅はこんなに大きかったのですね!!」

タタタ…と駆け出し東京駅を見上げ、振り返る千寿郎の顔は興奮していた。
いつも控えめで優しい印象の千寿郎からは想像できない顔だ。

槇「しばらく見ない内に、どんどん立派になって行くな…」
杏「父上は駅に来るのはいつぶりですか!」
槇「瑠火と来たのが最後だから…」


槇寿郎は何年前だ?と遡っている。
その表情はとても穏やかだったので、とても良い思い出なのだろう。
今度機会があれば聞いてみようか。

杏「俺と泰葉さんは…あれ以来か…。」

「…そうですね。でも、今回は安全な旅ですよ。
そこが違います。」


杏「そうだな!それに今回は泰葉さんと一緒に弁当も食べられるぞ!」

「また11個も召し上がる気ですか⁉︎」

槇「泰葉さん、前にも言ったと思うが通常ならばそれ以上だ。」

「え…」



ーーーーーーー

杏「む!やはり沢山あるのだな!」

「ふふ。やっぱり思い出しますね。あの時のこと。」

杏「あぁ。あの時の泰葉さんのことは忘れられないな。
今まで感じたことのない感情に陥ったのだから。」

「私も。あの時の杏寿郎さんの瞳はいつまでも心に残ってる…。」


2人売店の前に立ち、弁当を選んでいると、初めて会ったあの時に戻ったような気持ちになった。
初めて一目惚れというものがあるのだと知った。
それ自体に気づくのには時間がかかったかもしれないが、間違いなく2人はこの時に互いに惹かれあっていたのだ。


ふふふと微笑んでいると『あの…』と声がかかる。

「…!すみません、急いで選びますね!」

泰葉は店員さんにいつまでそうしているのかと言われていると思った。

『い、いえ、違うんです!』

「へ?」

『もしかして…以前、沢山のお弁当を買われて行った方では?』

杏「む?以前というのは…約10ヶ月近く前になるか…」

『炎のような羽織を着て…」

杏「間違いなく俺だな!!」


『やっぱり!!』

売店の売り子さんは記憶があっていたと、とても喜んでいた。

『あなたは…その時にもいらっしゃいましたね?
袴を着て…可愛らしかったから、とてもよく覚えているんです。
そして、彼があなたのお弁当も支払われて行った…』

「わ、わたしです!」



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