第49章 体温 ❇︎
「気をつけて帰ってね。」
花「また、来月ね。楽しみに待ってるわ。
千寿郎くん、列車の旅楽しんできてね。」
千「はいっ、楽しみにしています!」
智「杏寿郎くん、今度は勝負だ!
君の太刀筋を見たらさらに頑張らねばと思ったよ!」
杏「俺も同じです!覚悟しておいてください!」
槇「杏寿郎、呼吸はダメだぞ。
また来月を楽しみにしております。
その時にはお世話になりますので…」
智「お待ちしております!」
2人は手を振りながら帰って行った。
泰葉と杏寿郎は姿が見えなくなるまで見送った。
杏「さっ!鍛錬せねば!!」
「えっ、もう?」
槇「…付き合ってやる。」
千「父上も⁉︎」
杏「本当ですか!ありがとうございます!」
千「で、では僕も!!」
「えっ、何でみんなで⁉︎」
それから3人は道場に向かい3時間も出てこなかった。
夕飯の時に杏寿郎に尋ねる。
「なぜそんなに?
杏寿郎さんの方が強いでしょう?」
杏「泰葉さん、智幸殿の剣裁きを見たことがあるか?」
「昔に…」
杏「流石に俺たちと一緒まではならないかもしれないが、もし若い内に鬼殺隊に入っていたら、間違いなく柱並みの力を持っていたと思う!」
「え、お父さんが?」
槇「それには俺も同感だ。歳の頃だと俺たちくらいの代になるんだろう。彼の太刀筋は素晴らしい。
気を抜けば杏寿郎も、一本取られてしまうやもしれん。」
「ま、まさか…。」
はは…と苦笑いをする。
槇「杏寿郎が智幸殿に一本取られるわけにはいかん。
そんな事になれば、君が嫁に来れなくなってしまうだろう?」
杏「そんな事になっては大変だ!!
負けるつもりはないが、尚のこと鍛錬が必要だと思う!」
千「そ、そんなっ!兄上、絶対に勝ってくださいね!
泰葉さんの義弟になりたいですっ!」
「皆さん…」
煉獄家からはたくさんの愛情をもらっていたが、こう言われると更に嬉しくなる。
千寿郎なんて義弟になりたいだなんて…。
「杏寿郎さん!頑張ってくださいね!」
杏「うむ!もちろんだ!」
燃えているのは相手も同じ。
智「帰ったら素振りをしなくては!」
花「歳も考えてやってくださいね?明日は仕事ですよ?」