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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第45章 喰らえ



「うっ…」

泰葉は痛む体を起こした。


またも飛ばされてしまった。
今までの鬼とは比べものにならない強さと、生きることへの執念がすごい。


周りを見ると、遠くで無惨の姿、側に倒れる炭治郎の市松模様の羽織が見える。
猪の頭と稲妻が走るのが確認でき、伊之助と善逸が駆けつけてくれたのだと悟った。


「早く、向かわなくちゃ…。」

自分にできることは、時間稼ぎと治癒だけ。
そう思っているが、無惨の攻撃が速く広範囲のため、なかなか思うようにいかない。
他の柱達、カナヲ、玄弥は大丈夫だろうか…。


よろよろと立ち上がるが、周りに人がいない。
きっとみんな無事だと言い聞かせながら、無惨のところへと向かう。



ーーーーーーーー


——漆ノ型 火雷神——


善逸は無惨を討つため、渾身の一撃を放つ。
しかし、赫刀でないため、損傷は浅く想定より早く回復されてしまう。

——伍ノ牙 狂い裂き——

——参ノ牙 喰い裂き——

伊之助も呼吸を連続で出し、無惨の片足の切断に成功した。
しかし、上半身の大きな口から、再び雷のような衝撃波が放たれ、正面から喰らってしまった伊之助の全身から血が噴き出した。


善「伊之助ーーーー!」


「いの…すけ、くん!」


泰葉は痛む身体を引き摺るように前へ進む。
急げ…急いで…


その時、無惨の体に壊死の力が大きく出る。
吐血し、片膝をついた無惨に復活した炭治郎が日の呼吸で反撃を仕掛けた。

伊之助は傷だらけになっても炭治郎の援護をしようと必死に喰らいつく。
善逸も育ての桑島を思い出し決死の一撃を放った。

(じいちゃん!背中を蹴飛ばしてくれ!!)


——霹靂一閃——


しかし、思いも虚しく無惨に弾き飛ばされてしまい、2人は泰葉の横を勢いよく飛んでいった。


もう嫌だ…
仲間たちが…
大切な人が…


泰葉の目から大粒の涙が溢れる。


必死に足を動かし、走り出した。




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