第42章 僕のものに
行冥の攻撃は確かに無惨の頸をとった…はずだった。
行(やはり!!お館様の読み通り頸を斬っても死なない!!)
行冥は耀哉から今回の話を持ちかけられた時
耀哉は恐らく無惨を滅ぼせるのは
日の光のみでは無いか。
行冥が頸を破壊しても無惨が死なない場合には
日が昇るまでの持久戦となるだろう。
と話していた。
行(さらにこの肉体の再生速度。
音からして今まで対峙した鬼の比ではない。)
耀哉による爆破と珠世による弱体化があっても
これほどの余力を残した状態。
夜明けまでこの化け物を日の差す場に拘束し続けなければならない。
泰葉が行冥に加勢しようとした時、グッと手を掴まれた。
「君の相手は僕だよ…泰葉」
その手を掴むのは凝慘。
爆破により所々まだ欠けているが、しっかりと手を掴み
ニタァっと笑っている。
杏「悲鳴嶼殿!」
杏寿郎が駆けつけ、キンっと鍔を弾き炎刀が姿を見せる。
無惨は近づく行冥と杏寿郎に血鬼術を放つ。
——黒血 枳棘(こっけつ ききょく)——
黒い荊棘が勢いよく襲いかかる。
——岩の呼吸 参ノ型 岩軀の膚——
——炎の呼吸 弐ノ型 昇り炎天——
2人は血気術を弾き飛ばす。
杏「泰葉…!!」
凝慘に泰葉が捕まっているのを見た杏寿郎は、凝慘に向かって刀を振る。
瞬時に身体を反り、寸前で刀を避ける。
無惨対行冥
凝慘対杏寿郎
それぞれに戦いが始まろうとしていた…
その時。
「テメェかァアア!!お館様にィイ何しやがったァア——-!!」
実弥の怒号が響き渡り、続々と柱達が集結する。
行「無惨だ!!鬼舞辻無惨だ!!
奴は頸を斬っても死なない!!」
行冥の言葉でこの男が鬼舞辻無惨だと知る。
そして、頸を斬っても死なないという事実に衝撃を受けた。
ついに元凶となる鬼と対峙する。
炭「無惨!!!」
—-霞の呼吸 肆ノ型…
—-蟲の呼吸 蝶の舞…
—-蛇の呼吸 壱ノ型…
—-恋の呼吸 伍ノ型…
—-水の呼吸 参ノ型…
—-風の呼吸 漆ノ型…
—-ヒノカミ神楽 陽華突…
全員が一斉に技を仕掛けようとする。
その時、無惨がニヤリと笑った…。