第41章 開戦
炭「では、お世話になりました!」
杏「うむ!冨岡にもよろしくな!」
「気をつけてね!」
昼過ぎ、炭治郎は義勇の元へと向かっていった。
炭治郎の姿が見えなくなるまで見送り、また稽古へと戻っていく。
そして、腹筋、背筋、腕立て伏せ、走り込み…
そして打ち合い…
今日も誰一人として杏寿郎から一本とれる者は現れなかった。
杏「本日はここまで!!」
『あ、ありがとうございました!!』
クタクタになった隊士達は夕飯を頬張り、湯浴みを済ませて眠りについた。
昨日から夜いつ召集がかかるか分からないからと、全員隊服で眠るようにさせた。
泰葉も同じ。湯浴みを済ませ隊服に着替える。
離れには、1時間前ほどから焚いた藤の香が香っている。
「!!」
泰葉は背後に気配を感じ振り返った。
「あなたは…」
そこに立っていたのは
金崎侑。
どうしてここに…。
「久しぶりだね、泰葉。」
そう笑う金崎を見て泰葉は凍りついた。
金崎の目は猫のように瞳孔が縦長で
ニッと笑った口からは鋭く尖った牙が見えていた。
「その目と、歯…
まさか…」
『お前は俺と来てもらうよ。』
泰葉は構えを取ろうとしたがすでに遅し。
金崎は泰葉の口を塞ぎそのまま闇に消えていった。
バンッ
杏「泰葉!!!!」
杏寿郎が慌てて離れの庭から入る。
カチャン。
金色を泳ぐ金魚の髪飾りが落ちた。