第39章 嫉妬 ❇︎
朝。
泰葉は目を覚ます。
結局あの一度で終わるはずもなくもう一度交わった。
杏寿郎はまだまだだと言わんばかりだったが、まだ行為自体に慣れていないし、久しぶりだったので泰葉は限界を迎えた。
何とか湯浴みをして倒れるように眠ったのだった。
隣にいるはずの杏寿郎の姿は既に無かった。
むくりと起き上がるとカサッと音がした。
ん?と見てみると、
『おはよう。
身体は大事ないか?
早朝稽古があるため、先に行く。
無理ないように起きておいで。』
杏寿郎の置き手紙だった。
そうだ…
杏寿郎は沢山の隊士に稽古をつける立場。
夜遅くまで起きているわけにはいかないのだ。
もう今夜からは必ず寝てもらおう。
今日からは泰葉も稽古に出る予定なので隊服に着替える。
髪を一つに纏めて金魚の髪飾りをつける。
昨日の毎日付けていることを知った杏寿郎の顔を思い出す。
嬉しそうだったな…。
泰葉の胸がキュンとした。
蜜璃は毎日この気持ちを味わっているのか…と、尊敬した。
身支度を整えて
朝食の用意をしに向かった。