第37章 合同強化訓練
義勇の件も落ちつき、泰葉は炭治郎と共に宇髄邸へとやってきた。
『今日は!!』
2人は天元がいるであろう、庭に回り込み挨拶をした。
天「よォよォ!久しいな!
お前ら、また上弦と戦ったんだってな!五体満足とは運の強ぇ奴だ!
ま、泰葉がいればもげても大丈夫だろうがな。
しっかし、泰葉もよく巻き込まれるもんだ…」
天元は少し憐れんだように泰葉の頭をポンポン叩く。
「…は、はは…」
泰葉は苦笑いを浮かべる。それは泰葉自身が1番思っていることだった。
天「まぁ、鈍った体を存分に叩き起こしな!!」
『がんばります!!』
ニコニコと頷く天元。
しかし、その口から出た課題はなかなか厳しいものだった。
天「じゃ、とりあえず竈門はあの山越えて戻ってこい。それを10周だ。」
そう言って、指を指す。
指の先にはそこまで高さはないものの、それなりの山が見える。
…え?あれ?
あれ越えて戻ってくるのを10周するの?
泰葉はゾッとした。
他の隊士も同じ課題なのだろう。
戻ってきてもゲーゲーと何も出ないが嗚咽をしている。
だが、驚くのは炭治郎。嫌な顔一つせず「はい!」と良い返事をして、走る準備をしている。
泰葉も、とりあえず炭治郎について行ければ気持ち的に救われるかも…と準備運動した。
しかし、天元に泰葉の肩は抱かれる。
天「待て待て。泰葉、お前は鬼の前にならないと力を発揮できないんだろ?」
泰葉は首を傾げた。
はて?そんなこと、いったことあったかな?
「それは…どこから?」
天「煉獄だ。お前、あいつに押し倒されても抵抗も何もできなかったって聞いたぞ。そんな奴が山越えられるかよ!」
泰葉は杏寿郎に試されたあの日を思い出した。
ぼんっと顔を赤くして、天元を見る。
ニヤニヤしながら泰葉を見た天元。
「私、炭治郎くんと一緒にいきます!」
天元は、少し目を丸くしその後ニカッと笑った。
天「さすが、柱が惹かれる煉獄の女は違うねぇ!
ま、泰葉はくれぐれも無理はするな。一般人として生きていたんだ。俺たちとは訓練歴が違う。
竈門、泰葉に何があったらすぐ知らせろよ。」
炭「はい!わかりました!」