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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第5章 煉獄兄弟



杏寿郎は玄関を開け

「ただいま戻りました!」

と、声を上げる。


トタトタトタ…と足音がして、

「おかえりなさいませ!兄上!!」

と、弟の千寿郎が出迎えた。
鴉から怪我の容体など逐一連絡はされていたものの、実際に会うのは久しぶりだ。

千寿郎は、目に涙を溜めていた。

兄は生きて帰ってきた。
それだけで本当によかった。


杏寿郎は千寿郎に羽織と刀を預けた。

今日は柱合会議しかなかったため、
そのまま、父である槇寿郎の元へ行く事にする。


杏「千、父上は部屋か?」

千寿郎は頷く。
千「…変わらず…」


その言葉だけで、父の様子はわかった。

槇寿郎は、最愛の妻 瑠火を亡くしてから、人が変わり、
布団から出ず、酒浸りになってしまった。

あんなに熱い心の炎を灯していたのに…




杏寿郎には、今日はどうしても聞かなければならない事があるのだ。
拳をぎゅっと握りしめた。


杏「兄は父上の部屋へ行ってくる。」


そして、槇寿郎の部屋へと向かった。



槇寿郎と千寿郎は、杏寿郎が一度死にかけ、そこから回復した一部始終を鴉から連絡を受けている。


父には怒鳴られるだろうか、殴られるだろうか。




…そして部屋の前まで来た。


杏「父上!ただいま戻りました!」


………。

返事はない。


杏寿郎は構わず、部屋の襖を開ける。

すると、酒の匂いが部屋に充満していた。


杏「失礼します。
父上、鴉から報告があったと想いますが…「知らん。」

槇寿郎が口を開く。

槇「この馬鹿が。死にかけたのはお前が弱いからだ。
俺と同じでお前にも才などありはしない。
早く辞めろと言ったんだ。それで、この有様だ。」


杏寿郎は膝に置いた拳に力を込める。

杏「たしかに、死にかけたのは俺が弱いからなのは認めます!
しかし、生かしてもらった命!最後まで責務を果たします!」


槇寿郎はチッと舌打ちをする。

槇「話は終いだ。早く出て行け。」


杏「いえ、今日は父上に聞きたいことがございます!」
槇「出て行け。」
杏「いえ!話を聞いていただきたい!」

槇寿郎は立ち上がり、拳を振り上げる。
「出てい…
杏「西ノ宮家について!」

途端に動きが止まる。


槇「…お前、その名前を…どうして…」


杏「俺を救ったのは、その名を名乗る者です。」




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