第35章 誕生日 ❇︎
杏「男は胸では感じないと思うぞ?」
杏寿郎は泰葉の行動に笑う。
少し悔しくなった泰葉は爪で胸の突起を引っ掻いた。
杏「んっ…」
自分から出た声に口を押さえる杏寿郎。
「少しは感じるみたいね。」
泰葉はいたずらに笑った。
「でも、爪で痛そうだからいっぱいはしない。
ね、こっちにきて。」
泰葉は杏寿郎の首に腕を回し、ぐいっと近づけた。
そして、杏寿郎の頬に口付け、耳、首筋に舌を這わせる。
自分が気持ちよく思ったところをなぞっていく。
たまに吐息が漏れるが泰葉程では無いようだ。
泰葉は少し身体を起こし、いつもは髪で隠れている杏寿郎の項に舌を這わせた。
すると、ビクッと身体を震わせる。
「杏寿郎さんは、ここ?」
杏「うっ、そこで喋らないでくれ…。」
杏寿郎は項が弱いようだ。
しかし、体勢が辛いため、長くは持たなかった。
杏寿郎が攻め立ててくるため、泰葉はすでに何度か果てている。
肩で息をして、襲いくる快感に悶えるので精一杯だった。
その時、泰葉の太ももにグリっと、何か押し付けられた。
泰葉が何かと太ももを見ると、余裕のない表情の杏寿郎と褌の中で苦しそうな…。
「これって…」
杏「すまん…泰葉さんが感じている姿を見ていたら、俺も余裕がない…。」
グリグリと太ももに押し付けられるソレ。押し付けられた太ももがグニッと沈むくらいに硬さを持っていた。
泰葉も何をどうするか分からないほど初心ではない。
だがしかし、褌越しでも分かる主張に、自分の身体が対応できるか不安だった。
それに…初めては痛いと聞いた。
すると、杏寿郎が泰葉の顔を覗く。
杏「泰葉さん、触ってくれるか?」
余裕ない表情で目を見られては逸らすこともできない。
泰葉は頷いてまた身体を起こす。期待しているのか、褌越しの昂りがピクピクと動いている。
布越しに、そっと触ると「うっ…」と声を出す杏寿郎。相当我慢しているのだろう。
しかし、布が張ってしまってちゃんと触ることができない。
「これ、外してもいい?」
杏「あ、あぁ。すまない。」
杏寿郎は褌に手をかけ、外し始めた。昂りの先端からは先走りが溢れて布を退かすと、少し透明な糸を引いた。