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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第33章 新生活



初めての離れでの生活。
1人で広い風呂に入り、広い部屋で布団を敷いて眠る…。


「……。」


新しい環境のせいか、なかなか眠れない。
明日からまた蝶屋敷に行かないといけないのに…。


すこし、風に当たってから眠ろう。
そう思って縁側に座る。縁側の端に行くと、道場の裏口に面している。


「今日は月が三日月だ。」

空を見上げると、三日月が笑っているようだ。
早く寝なさい。
と言っているように。


ぼーっと見ていると、道場の窓から灯りが漏れた。


「こんな時間に…?
杏寿郎さんが戻ってきたのかしら?」

覗いてみようかと思ったが、杏寿郎はすぐに気づく。
鍛錬の邪魔をしてはいけないと我慢した。
次第にパシンッパシンッと木刀を打ち付けているような音がしてきた。
縁側の端に行き、柱にもたれる。

規則正しいパシンッという音が、だんだん心地よくなってきて眠気を誘う。
そして、いつのまにか眠ってしまった。




ガラガラっと音がして、少しだけ意識が戻る。
すると、フワッと暖かくなった。

「ん…?」

泰葉は薄く目を開ける。

「!…起きたか?」

目の前には杏寿郎の大きな目が2つ。
暖かく感じたのは、どうやら泰葉の部屋から膝掛けを持ってきてかけてくれたからだった。

「わ!あれ?杏寿郎さん…どうして。」

驚きつつ、状況が読めていない泰葉に杏寿郎は困ったように笑う。

杏「どうしてとは、こちらが聞きたいな。
こんなところで寝ていたら風邪をひくぞ。
眠れなかったのか?」

泰葉はようやく、この状況を理解した。

「…眠れなくて、ここで杏寿郎さんが鍛錬してる音を聞いていたら眠くなって…」

杏「新しい環境だからな…。
まだ眠れないようなら、風呂に入ってから添い寝を…」
「寝れます!眠いです!お休みなさい!!」

バッと慌てたように立ち上がり
そう言って、そそくさと泰葉は自室へと入っていった。





杏「よもや。なかなか釣れぬもんだな。」




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