第32章 報告と離れ
天「お前、いくつになった?」
千「え…今年で13になります。」
天「ほぉ。じゃぁ、俺の話をよーく聞いとけよ。」
「お前の兄貴と泰葉は恋仲になったんだ。
それがどういうことかは…分かるな?」
槇「おい、宇髄。何を…」
天「まぁまぁ、見ちゃいけねぇもん見るより先に分かってた方が良いだろう。」
千「見ちゃ…いけないもの?」
天「お前の兄貴だって、鍛錬と鬼殺のことで頭がいっぱいだったろうが、元は20歳の男だ。そして、その兄貴が好きな女と一緒に過ごすとなったら…そら、男女の営みっつーもんがある。
だから、兄貴が離れには通ったとしても、許してやれよ。」
千寿郎は頭の中で天元の言葉を反復する。
(兄上が…泰葉さんと…)
遅れて何のことか理解すると、ブワワっと真っ赤になる千寿郎。
その様子に、はぁ、とため息をつく槇寿郎。
槇「千、とにかく離れに用があるときは入り口で呼びかけてからにすることだ。」
千「は、はい!」
(兄上が言ってたのは、そういう意味でもあったんだ!)
一つ大人になった千寿郎だった。