第28章 不穏
憎珀天は泰葉と蜜璃の姿を見て驚いていた。
信じ難し!!この小娘共、今の攻撃を喰らって尚肉の形を保っているとは!!
この鬼狩りの女…図体に見合わぬ筋力…特異体質か。
だが、こちらの女は何だ?鬼狩りではないようだが…。
どちらにせよ特殊だ。肉を喰らうことは強さに直結する。
こっちの女はもう動けまい。
鬼狩りの女の頭蓋と脳味噌を殴り潰しておくとするか。
この時、泰葉は走馬灯を見ていた。
目の前には生みの両親
紀彦と美智が居る。2人は泰葉を両脇から抱きしめるようにして座っている。
紀「いいかい、泰葉な力は人を助けるためにあるんだ。
人が必要とする限りはこの能力は消えない。
しかし、いつか消えてしまうことがある。それは、大きな戦いがなくなった時。」
「お父さん達は泰葉の代で、この能力は無くなってくれることを祈っているよ。」
美「万が一、鬼に襲われる人が居たならば、迷わず助けなさい。
あなたが、西ノ宮家に生まれたからには成さねばなりません。
私たちはあなたを愛しているわ。」
うん、私も愛してる。
私の代で…
この能力を終わらせて見せる…!
暖かい。
ふわふわした感じ。
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杏「少年たち!甘露寺を頼む!!」
炭「はい!次の攻撃がくるぞ!!立て、立て!」
杏寿郎は隙をついて、竜を斬り倒し、泰葉を抱き上げた。
蜜璃の頭をかち割ろうとしていた憎珀天から、炭治郎達も蜜璃を救出した。
炭「甘露寺さんを守るんだ!希望の光なんだから!
みんなで勝とう!誰も死なない!!」
憎珀天はイライラしていた。
ドンドンッと杏寿郎と、蜜璃のところ目掛けて雷を落とす。
辺りは砂埃が立ち上った。
『やったか…?』
砂埃が引いて来ると、そこには刀をかざす蜜璃の姿。
蜜「みんなありがとぉ〜!
柱なのにヘマしちゃってごめんねぇ!!
仲間は絶対死なせないから!鬼殺隊は私の大切な居場所なんだから!!私、悪い奴には絶対負けない。覚悟しなさいよ!本気出すから!!」