第26章 志
ギャギャギャギャ!!
けたたましい音を立てて5本の訓練用の棒が振り翳される。
それは炭治郎に容赦なく撃ち込まれ、言葉正しくボコボコにされていた。
泰葉は思わず顔を顰めた。
「小鉄くん、程々にしてあげたら…」
小「何を甘いこと言ってるんですか!
炭治郎さんには、あのクソガキに勝てるほど強くなっていただかないと!」
小鉄のやる気はみなぎっていた。
無一郎の存在が、小鉄に火をつけたのだ。
小「これから僕たちは、厳しい修行に入ります!なので、お姉さんは僕たちが終わるまで、ここに来ないでいただきたい!
甘えが出てしまうので!!!」
ひょっとこ越しに分かる。子供ながらに厳しい表情。
「…わ、分かった。
でも、無理はしないでね。」
それだけは、本当にしないでほしい。
「炭治郎くーん、怪我をしたら治してあげるから、終わったら来てねー!」
泰葉が声をかけると、炭治郎はほんの少しだけ頷いた。
しかし、余裕はなくすぐに零式との打ち込みに耐えることになった。