第23章 危険
コンコン
炭「はい」
泰葉は戸を開ける。
「お話の邪魔だった?」
杏「いや!全く問題ない!」
炭「どうしました?」
「良かった…。煉獄様、お待たせ致しました。」
泰葉が微笑むと、杏寿郎も微笑んだ。
炭(2人とも、とても嬉しい匂いがする!)
顔を赤くさせる炭治郎。
炭「お二人でお出かけですか?」
杏「いや、煉獄家に行くんだ!色々縁あってな、父と千寿郎は泰葉さんを大層気に入っているんだ!」
炭「泰葉さんは心が良いですもんね。槇寿郎さんにはあれ以来、お会いしていませんが、よろしくお伝えください。」
あれ以来…、炭治郎が槇寿郎に頭突きをくらわせた時のことである。
杏「む…、その際は大変申し訳ない…。」
杏寿郎は頭を下げる。
炭「気にしないでください。俺もカッとなってしまって…。」
これだけ温厚な炭治郎がカッとなったというのだから、槇寿郎の態度は酷かったのだろう。
なんせ、泰葉も怒らせたのだから。
杏「君の寛大な心に恩に切る!
では、そろそろ行くとしよう。また来れる時には来る!
体力をつけるのだぞ!」
炭「はい!がんばります!お気をつけて!」
「炭治郎くん、また明日ね。」
泰葉がニコッと笑うと、杏寿郎が泰葉の背中に手を添えて、では行こうか…と出ていった。
その姿を見て、また顔を赤くさせる炭治郎だった。
炭(すでに夫婦のような空気感だったな…)
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泰葉と杏寿郎は、並んで歩く。
杏「泰葉さんは、蝶屋敷に来る時はそのような洋装をしているのか?」
今日も紺色のワンピースを着ていた。
着物を着ないのか気になるのだろう。
「勤務中は、あのような白いワンピースを着ています。着替えなくてはいけないので、着物よりもこちらの方が早いので…。
もしかして…似合わないですか?」
杏寿郎がそういうのは似合っていないからではないかと不安になる。
杏「まさか!よく似合っている!泰葉さんは何を着ても似合うのだなと思っただけだ!」
泰葉はその言葉に安堵しつつ、恥ずかしくもあった。
どうして杏寿郎はこうも堂々と言葉にできるのだろうと、ある意味尊敬した。
そんなことを話していると、曲がり角から人の気配がした。