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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第22章 目覚め



彼が出ていった後、泰葉は自分の手が震えていることに気づく。
これ以上は危ない気がする。しのぶに話した方が良いだろう。
しかし、彼は他の隊士とは違い、名前も名乗らなければ、直接的には誘ってこない。
あるとしても、今度ここの店に行ってみたいんだ、と独り言のように言っているだけだ。
泰葉もそれは誘っているとは思わず、そうなんですね、と返すだけだった。

実質的な被害はない。
もし、言うとすれば何か起こしてからにしよう…。




そう思っている間も患者はやってくる。泰葉は必死に震えを止めて、治療にあたった。



何とか無事に治療がひと段落して15時。
今日はもう来ないかな?と思ったら

コンコン

と、戸がなった。

「はい、どうぞ」

声をかけ、戸が開いた先には杏寿郎だった。

「煉獄様…どうされましたか?」

怪我でもしたかと心配する。
すると、少し照れ臭そうに頬を掻く杏寿郎。

杏「いや、怪我もないのに昨日に続けてきてしまい申し訳ない。
実は、千寿朗も父も君に会いたがっていてな…。良ければ家に寄ってくれないかと頼みにきたんだ。
もし、今日中に帰らなければならないならば、今日は俺が送ろう!非番なんだ。」


千寿朗のみならず、槇寿朗まで会いたがっているとは…
何と嬉しく、可愛らしい頼みだろうか。

泰葉はふふっと笑った。

「嬉しいお誘いありがとうございます。
その様子だと、作り置きも無くなりましたね?」

杏「よもや!感が鋭いな!ご名答だ!」

「分かりました。喜んでお伺いいたします。」



泰葉の勤務時間は16時まで。
それまで杏寿郎は炭治郎の部屋にいるというので、泰葉はしのぶの元へ行き、備品の整理などを手伝った。

し「刀鍛冶の里へは明後日よね?
明日は少し早めに上がって、早く休んだ方が良いと思うわ。
あそこへの行き方は、初めて行く泰葉さんにはとても気疲れすると思うから。」
「気疲れ…?」

体力的な疲れでなく、気疲れというところに引っかかるが、明後日になれば分かると、しのぶの微笑みで濁されてしまった。




16時。
勤務時間が終わり、身支度としのぶへ挨拶も済ませて、炭治郎の部屋に向かった。
楽しそうな笑い声が聞こえる。






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