第22章 目覚め
善逸が復帰してから2日後
泰葉の血を炭治郎が服用してからは、カナヲが献身的に看病していた。毎日、じっと炭治郎の顔を見て微笑んだ後、とても心配そうな表情になるのを知っていた泰葉は、早く目を覚まして欲しいと切に願った。
隠の後藤も炭治郎の見舞いに来ていた。
杏寿郎からの差し入れのカステラを切り分けている。
炭治郎は鼻が利くから匂いで目が覚めるのでは、と思ったらしい。
泰葉は治療室にいたが、一度ガシャンという何かが割れた様な音がした。
大丈夫かな?と思いながらも、騒がしい様子もないし、手当もしなくてはならなかったので、そのままにしていた。
すると5分くらいして男性の声が響き渡った。
後「すみちゃん、きよちゃん、なほちゃーん!
アオイちゃーん!炭治郎起きましたー!!」
その途端、バタバタと騒がしくなった。
泰葉もそれには嬉しくなって、すぐに駆けつけたかった。
しかし、今は目の前の治療に集中する。
隊「あの…行ってきて良いっすよ、おれ、ここからなら自分でできますし…」
隊士に声をかけられてハッとすると、包帯が上手く巻けていなかった。
隊「気になるんですよね?行ってください。」
「…ありがとうございます。今度いらっしゃった時にはちゃとやりますからね。」
眉を下げて、ごめんなさいと声をかけて泰葉は治療室を後にした。
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少し遅れて炭治郎の病室に行くと、伊之助、カナヲ、アオイ、3人娘と、隠の後藤が炭治郎を囲っていた。
そして、伊之助とアオイはワーキャーと揉めている。
炭治郎はまだ、ぼーっとしているが、目を覚まし少し微笑んでいた。
「炭治郎くん、目が覚めてよかった!
身体は辛くない?大丈夫?」
泰葉が炭治郎の手を握って声をかける。
炭「大丈夫です。眠り過ぎたのか、ぼーっとしますが…身体はなんともありません。
泰葉さんは、大丈夫なんですか?」
「私は早いとこ治療してもらったし、傷も残らなかったから大丈夫よ!心配してくれてありがとう。」
泰葉がニコッと笑うと、頬を赤くさせながら炭治郎も笑った。
そして、ゆっくりとまた眠りについた。
まだ伊之助達は騒いでいる。
注意しようかな…と思ったら
カ「炭治郎眠ったから静かにしてー!!」
恋の力。