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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第14章 お館様



翌日、泰葉と両親、煉獄家3名は
泰葉の家に向かっていた。


隣の奥さんにお礼をしにいくために。
そして、途中で街の呉服屋にも行く予定だ。


色々と手土産を買いながら歩く一行。


泰葉の隣を歩く花枝は、泰葉の髪飾りに気がついた。
いつもの緋色の物ではなく、黄金色の中に金魚が泳ぐ髪飾り。

花枝は昨晩、杏寿郎が贈ってくれた物だと分かった。

花「その髪飾り、とても綺麗ね。」

そう声をかけると、泰葉はふふっと笑って

「そうでしょう。杏寿郎さんが下さったのよ。
お優しい方だから。」

そう返してきた。


確かに、杏寿郎といい、煉獄家の人間は皆優しい。
しかし、優しいだけで髪飾りを悩んで贈ったりはしないだろう。


花「お母さんはそれだけじゃ無いと思うんだけど…」


その言葉に?を浮かべる泰葉。
母としては自分で気づいてもらいたいものだ。


花「泰葉はもう少し、自分の心に耳を傾けた方が良いみたい。」
そう言って笑った。



男4人は、コソコソと楽しそうに歩く2人を微笑ましく見ながら歩いている。


槇「そういえば、泰葉さんには許婚がいると言っていましたが…」

杏寿郎はその言葉にピクリと身体を跳ねさせた。
それは昨日からずっと気になっていたが、知りたくないような気もして聞かずじまいだった。


智「はい。あの時はいました。
しかし、一族がいなくなってしまった今は、泰葉達からまた一族を繁栄させようとは思っていません。
まだ一度しか会っていなかった為、相手側も泰葉に対して思い入れもありませんでしたから。」


千「でも、お見合いはされていたのですよね?」

智幸は頷く。

智「私たち夫婦には子供がいませんでした。
だから、姉である美智の娘は、私たちの娘として育てようと決めたんです。
そして、娘の幸せは、幸せな結婚だと思い、泰葉の事を気に入って大切にしてくださる方の所へ嫁がせる。
それが親の務めだと思って、見合いをさせていました。」


槇「…その気持ちは…よく分かります。」

槇寿郎も同じように思い、杏寿郎に見合い話しはいくつも持ちかけていた。
しかし『忙しい』と、杏寿郎はそれを受けることはなかった。


杏「…では、許婚の関係は無効なのですか?」

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