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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第2章 無限列車


泰葉の目からどんどん溢れてくる涙。
その雫が杏寿郎の頬にもパタパタッとおちた。
止まらない涙は杏寿郎の潰れた目も濡らし、血が滲む。

泰葉は徐ろに杏寿郎の上着のボタンを外す。
きっと、1番の致命傷となっているのは、右脇腹付近だろう。
その様子をみて、生きる可能性を確かめたかった。
シャツのボタンも外していく。

無言で涙で瞳を潤ませた泰葉が、杏寿郎のボタンを外す姿が、些か不謹慎だが、なんだか見てはいけないものを見ているようで、ドキドキと顔を赤くする3人。

泰葉はシャツをはだけさせて、脇腹を覗き込む。

あぁ…酷い。
助からないかもしれない。

そう思うと、また涙があふれた。涙が溢れる前に手のひらで拭って、その手で赤黒くなってしまった脇腹を撫でた。



その時
「う…ゲホッゴホ…」

杏寿郎が咳き込んだ。

「!!!」

善「…心臓の音が戻ってきてる!嘘だろ…」
「⁉︎ 本当なの⁉︎」
炭「…煉獄さん、煉獄さん!!」
伊「…!スゲェぜ!ギョロギョロ目ん玉!!」
4人は杏寿郎の命が助かりつつあるとあって、大はしゃぎした。

しかし、全員が重症の身。
はしゃいで血が一気に巡ったため、全員は意識を失った。




ーーーーーーーーーー

泰葉の鼻を薬品のような香りがくすぐった。

ゆっくりと目を開けると、見慣れない天井。
ここは…どこだろう。
首を横に動かすと、点滴が刺されていた。

「……病院…?」

なぜ私は病院にいるのだろう?
泰葉は混乱した。
なんせ、列車に乗ったところまでしか覚えていなかったのだから。

困ったな…
病院にかかる…ましてや入院していたとすれば、大金だ。
貧しい暮らしではないけれど、今そのような大金は持ち合わせていない。

はぁ、とため息話をつくと
コンコン…とノック音がした。

「はい」と返事をすると、勢いよくドアが開く。

二つ縛りで両側に蝶の髪飾りを付けた女の子だった。
凛とした涼しさを感じさせる、かわいい子だな。


「…お目覚めになられたのですね!!!」
女の子の驚きように目を丸くする。

すると、女の子はすぐにどこかへ行ってしまった。


「あんなに驚くなんて…。私、どうしちゃったんだろう…」

しばらくすると、先程の女の子と、これまた美人な女の子が入ってきた。



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