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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第12章 記憶



杏「宇髄、先程の話だが…」


先程というのは、戦いが終わった時のこと。

結局小芭内が駆けつけたのはその時だった。

小「上弦を倒したのか。それはめでたいな、陸だが。
柱が2人もいて、この怪我とはな。」

と、ネチネチネチネチ言われた。


そして、
小「左目と左手を失ってどう戦うつもりだ。」


すると天元は
天「流石に柱を引退するよ。こんなんじゃ戦えねぇ。
お館様も分かってくれるだろう。」



そう答えたのだ。



ーーーーーーーーー


杏「本当に柱を引退するのか?」


杏寿郎の質問に、天元は少し遠い目をした。


天「まぁな。雛鶴がな…言ったんだ。」


『上弦の鬼を倒したら、一線から退いて普通の人間として生きていきましょう。

忍びとして育ち、奪ってしまった命がそれで戻るわけではありませんが、やはりどこかでケジメをつけなければ
恥ずかしくて陽の下を生きていけない。


その時、4人が揃っていなくても、恨みっこなしです。』


天「無事に上弦を倒したし、悔いはねぇ。」


しのぶは、目を細めて寂しいような表情を浮かべる。

忍びとしての人生は正直分からないが、想像するより辛かったのかもしれない。
杏寿郎は、もし怪我が原因で引退するならば、まだ確信はないが泰葉の力で治るのではないかと思っていた。


自分がそうであったように。


しかし、妻たちの命をかけて夫へ尽くす姿と、今の話を聞いて、
怪我がどうこうではなく、固い意志なのだと思った。


杏「君の奥方達は本当にあの方々で良かったな!」


天「まぁな。自慢の嫁達だ。」

天元はふっと笑った。




杏寿郎はしのぶの方に向き直る。

杏「胡蝶、泰葉さんの様子は?」


天元もずっと気になっていた。


し「今は眠っています。
次第に傷を治すために、熱が上がると思うのでその時が正念場かと。

でも、命には関わりませんので、その辺は安心してください。


ただ…」


しのぶは言葉を詰まらせた。
「もしかしたら…また記憶がなくなっているかも…しれませんね。」


目の前でたくさんの人が殺された。
禰󠄀豆子の変貌した姿も見ている。
ショックはでかいだろう。


杏「胡蝶、泰葉さんのところに行っても…?」


し「明日からなら…」




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