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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第9章 遊廓



炭治郎と、天元の登場に泰葉はなんとかなるかもしれない…と、希望を抱いた。




客寄せの会話じゃないと、店の者が目をつけている。

それに気づいた天元は、
「今夜、お前を買う。
話はその時にしよう。」

と聞こえるか聞こえないかの声で言った。
泰葉は頷く。


炭治郎も、それならばとりあえず安心だと、肩を下ろした。







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その後、泰葉の元に客人が現れた。


京極屋の蕨姫花魁…。



他の店の花魁が直々にやってくるなんて、あり得ない出来事だった。

店の者は慌てて、客間を用意する。
おもてなしの品々も揃え始めた。



蕨姫花魁は顎を上げて見下すような視線を浴びせる。
なんとも、威圧的な人だ。


「わざわざ、足を運んでいただき、ありがとうございます。
泰葉と申します。
昨日売られた身ゆえ、こちらの礼儀を分かっておりませんで…、
お許しくださいまし。」



泰葉は三つ指をついて、頭を下げた。


蕨姫花魁は、ふんっと鼻で笑った。



蕨「美人が来たって大騒ぎだから、どんなもんか見に来たのよ。
騒ぎの割には大したこと無かったわ。

…でも、貴女がここを出るってなったら、食べてあげなきゃもったいないわね…。」


含みを持たせたようなことを言う、蕨姫花魁。

泰葉は何のことだか分からなかった。



店の者がもてなす用意を整えたが、
『いらないわ』
と、一蹴して帰っていった。



泰葉の胸はドッドッドッドッと脈打った。

圧がすごい。



直感的に、敵にしてはいけないと思った。





ーーーーーーーー

そして、夜を迎えた。



夜になれば、建物の明かりが灯り
三味線やお囃子などが始まって、賑やかさが増す。


夜見世の始まりだ。
ここからは女の勝負。


いかに、金のありそうな男を引っ掛けることができるか、
そこに人生がかかっているのだ。


泰葉は天元の言葉を信じていた。



(あの方が話をしに来てくださる。
炭治郎くんが一緒にいたという事は、鬼殺隊…)


しかし、まだ天元の姿はない。




そして、コンコンと襖が鳴った。




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