第1章 君が私の煇。
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「………夏油だって言ったらどうするの?」
ハハハと笑ってた夏油も、笑うのをやめた。
と、思ったら知らぬ間に私は夏油の腕中にいた。
「げっ、げと、ん…ッう、っ」
チュ、チュとリップ音が響く。
逃げようにも逃げられない。
「駄目だよ、雪奈。
こんな夜遅くに男を部屋に入れちゃ。
そんな可愛い顔で誘惑されたら、私も
何をしでかすか分からないよ」
そう言いながら口を口で塞がれる。
すごい、口が、舌が、大きい。
「っ…ぅん♡、はッ、…♡」
「嫌ならここでやめる。けど。
嫌じゃないなら、私の欲望を受け止めて欲しい」
ずるい、そんな色っぽい顔で、声で。
コッチはキスだけで腰が抜けそうなのに。
「……やめ、ないで」
恥ずかし過ぎて、聞こえてたかわからない。
でも私の答えを聞いた夏油の表情はご満悦だ。
「安心したよ。
ここまでしてやめてと言われるのも少々堪えるからね。
さて、とっ!」
そう言って夏油は私を担いだ。
ベッドはどこかな、なんて声が聞こえた。
……え、やっぱりそういう流れになる?
「夏と「傑、だよ。そう呼んで欲しい。
悟みたいな事言うけどね」
「…………す、ぐる……」
「いいね、凄くそそるよ」
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