第1章 君が私の煇。
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もう学校も終わり、寮。
時刻は19時過ぎ。
あの2人は、任務終わったかな。
いざメールをしようにも文面が思いつかない。
今までどうでもいい事でメールなんて
した事なかったし、硝子ほど喋らないし。
『任務終わった?
終わってたらお疲れ様!
終わってなかったら、怪我しないでね!』
………こんな文章しか出てこない。
こういう恥ずかしいメールはさっさと
送信して他の事をやってた方がいい。
ポイと枕元に携帯を投げた。
夏油…か。
今まで付き合ってきた人達は爽やかな感じが
多かったからなのか、夏油のニヒルな笑い方とか
それでいて言葉遣いが丁寧なところとかが
違った風に見えて新鮮かもしれない。
あとは、悟と話す時。
たまにお互いが感情的になる時。
少し、いいなと思ってしまう。
「本当に好きみたいじゃない」
携帯はまだ鳴らない。
人に連絡してこんなにも返信を
待ち侘びているなんて久々だった。
「…すぐる、いや、恥ずかしいな」
やめよう。
まずは2人が安全に、帰ってくる様に…
なんて思っていたら、横になっていた事と
少し寝不足だったのか、眠くなって目を閉じた。
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