• テキストサイズ

恋い慕う 短編集

第2章 猫 (1)


不死川が街を歩いていると煉獄が誰かを連れて歩いているのが見えた

珍しいと思いその隣いる者の顔を見ると見慣れない着物を纏ったりょうがいた

昨晩抱いた女が別の男と歩いているのを見て苛立つ

「おい!」

呼び止められた煉獄とりょうは立ち止まる

「不死川か!ここで会うとは珍しいな!」
「煉獄ぅ、なんでてめぇがりょうといるんだよ」
「む?知り合いか?」
「それは俺のだぁ」
「ん?」

そう言われてりょうの顔を覗く
りょうは変わらぬ表情で不死川を見ていた

「私、実弥のじゃないよ」
「俺から離れるなって言っただろぉが!」

ぐいっとりょうの腕を掴む不死川
それを見て煉獄は不死川のその腕を止める

「無理強いはよくないぞ」
「おまえに関係ねぇだろ」
「もう俺はりょうと知り合った!関係ないことはない!」
「りょう!おまえはどうしたいんだぁ!」

突然話を振られりょうは戸惑う

「え、っとぉ...お腹すいた」
「今から食事をするところだったんだ!」
「それなら俺が食わせてやるからよぉ!来い!」

ぐいっと引っ張りりょうを連れて行ってしまう

「実弥!痛いよぉ」

掴まれる腕が痛む
すると歩く速度が落ち着いてそして足を止めた

「...わりぃ」

掴んでいた手を離してやりりょうを見下ろす

「なんで煉獄と一緒だったんだ?」
「雨に濡れたから着物くれたの」
「それだけかぁ?」
「?それだけだよ」

はぁとため息を吐き不死川はりょうの頭に手を添える

「おまえがすぐ居なくなっちまうから...」
「私は私の居場所を探してるって言ったでしょ?」
「俺の所に居たらいいだろ」

そう言う不死川は切ない顔をしていた

「...屋敷に飯の準備してあるからよ...」
「そうなの?」
「おまえがいつ帰ってきてもいいようにしてんだよ」

不死川はふらっと現れるりょうの為に食事を二人分用意していた

「なのに煉獄と一緒にいる所見かけて...苛立っちまった」
「ごめんね?」
「俺も悪かったよ」

不死川は優しくりょうを撫でた

二人は並んで不死川の屋敷に行くことにしたのだった


ー猫 続くー
/ 26ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp