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恋い慕う 短編集

第5章 初恋[不死川実弥]※裏


戸惑いながらもりょうは不死川の手を両手で握り小さく言う

「実弥くんは...私のこと、どう思ってるの?」
「は?どうって...それ言わねぇとダメか?」

少し照れたように驚く不死川

「だって...手を繋いだのだって最近だし...本当はどう思ってるのかなって...」

不安げに伝える

「おまえ、言わねぇとわかんねぇのかよ...」

若干呆れた様子の不死川にりょうは不安がさらに増し涙が出そうになる

「ちょ!そんな顔すんなぁ」

不死川は慌ててりょうの頭を撫でてなだめる

「だって...実弥くん、私に何もしてこないじゃない」
「それは...」
「私のこと好きじゃないんでしょ!」

ついに泣き出してしまったりょう
不死川は困り果て頭をぽりぽりと掻く

「そんな訳ねぇだろ...大事に想ってるから何もできねぇんだよ」

りょうを抱きしめ優しく背中を撫でる

「りょうがいいって言うなら、」
「え?」
「キスしていいんだよな?」
「...うん」

りょうが小さく頷くと触れるだけのキスをした
そして流れる涙を舌で掬う

「!?」
「しょっぺぇな」

不死川のその表情に胸が鳴った

「今日、弟達いねぇんだよ」
「うん」
「来るか?」

りょうは顔を赤く染めて頷いた
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