I don’t want to miss a thing.
第2章 …Please, don't stop the love.
「えーーー…!!!最悪ッ凛子とクラス別じゃん!!!」
「…俺と森田さんが一緒で、凛子はパーとペーと一緒だな。」
「私と凛子がチェンジした方が絶対いいじゃん!いや、違うか、三ツ谷が別のクラス行けばよかったんだよ!」
「ハハッ、森田さん。一年間一緒にいてその言葉は流石にひどくねぇ?」
それから季節は廻り、桜も散り始めている4月頭。
中学最後の年を迎える私たちは、廊下に張り出されたクラス分けを確認しては悲嘆に暮れていた。
私は優美ちゃんとタカちゃんの冗談交じりの言い合いに一つ笑みを零す。
「2人ともいなくなっちゃうのは寂しくなっちゃうけど、隣のクラスだからすぐ会いに行けるね!」
私がそう言って優美ちゃんの肩を叩けば、
「それはそうだけどさー!!!行事とか同じクラスで一緒に楽しみたかったー!!!」
と優美ちゃんは盛大に私に抱きついた。
そんな優美ちゃんの様子を可愛いと思いながら、確かに優美ちゃんの言う通り、中学最後のイベントも2人と同じクラスで楽しみたかったなぁ…なんて私も眉を少し下げる。
そうすれば、そんな私の様子に気が付いたのか、タカちゃんが私の頭にポンと大きな掌を乗せた。
「パーとペーにいじめられたらすぐ言えよな。」
そんな冗談を言ってはニカッとお得意の笑顔を向けるタカちゃん。
「ハハッ、2人ともそんな人じゃないってタカちゃんが一番わかってるくせに!」
私もそんなことを笑って返せば、タカちゃんも満足そうに笑う。
「いやー、でも、こればっかは仕方ねぇけどマジで残念。」
「ねー…。別に会えなくなるわけじゃないのに何か寂しくなっちゃうね…。」
そんなことを言って2人で眉を下げれば、優美ちゃんがガバッと勢いよく離れて、私の肩を掴んだ。
そして、
「まぁ三ツ谷のことならウチに任せてよ!変な女が近づいてこようものなら私が追い払っとくし!」
なんて言っては、ウインクを寄越してみせた。
すると、私の背後から今度は、
「そうだぜ、三ツ谷!椿木さんのことなら俺らに任せとけよ!変な男が寄ってくる前に全員蹴散らしといてやるからよ!」
なんて三番隊コンビの声。
それを受けて、タカちゃんは「バーカ。お前らが凛子に迷惑かけねぇかが一番心配だわ。」なんて笑う。