第3章 閉じ込めて、愛したい。
「あぁ、いいだろう。その女はもらってくぜ。」
嘘でしょ…⁉︎
本家大将は病弱な女を痛ぶる趣味なんかが
あるのだろうか…?
でも妃って言ってたし………
私は考えがよくまとまらないまま、
うんがい鏡を通って、本家軍の城へと入った。
正直言ってあのままあの村でで生活していてもいずれ処刑されていたのだから、離れられてとても嬉しいことには嬉しかったのだが…
「……なんで?」
どんな酷いことをされるのかと思いきや、
私への対応はとても丁寧で
風呂も入れて、食事も豪華で好きなものばかり、服も村にはない、とても肌触りの良い着物を着せられていた。
「…ん。本当に綺麗になったな。この着物も選んでおいて正解だったぜ。」
「…何故私で納得されたのですか?他に私みたいな女は沢山いるでしょうに。」
必死に考えて言葉を紡いだが、出てきた言葉は、とてもありきたりなものだった。
「んぁ?覚えてねぇーのか?ふーん、そうなんだな。」
何か納得している様子だが、私にはさっぱりわからない。
そう呟きながな大ガマは私の指を絡めてきた。
「それは、お前だからだよ。
ずっと好きだったんだ。だから、妃にしたいと思った。」
「…なぁ。接吻しちゃダメか?」
凄く真っ直ぐで子供のような笑みを浮かべながら、囁いてきた。
熱っぽい吐息が近づいてくる。
「オレはずっとお前のことが好きだったんだ。ずっとずっとずっと…もう、我慢するのはごめんだ。告白したらもう会えなくなるかもと思って言えてなかったけど…この空間なら言える…ずっと閉じ込めてやりたいくらい可愛くて…なぁ?ダメか?」
「ち、ちょっと!待ってよ!
こんなこと、しちゃダメ!だって貴方と私は…」
ズキン と激痛が走った。
頭がよく回らない…意識が遠のいていく………