第51章 一途な総長は大人な彼女と幸せな愛に溺れて(❤︎)
そして昼食でお腹が満たされた後、二人は違う動物も見て回った。空は次第に夕暮れに染まり始め、少し肌寒さを感じる。
「流石に全部は見きれなかったな」
「でも凄く楽しかったです。大人になってからは動物園なんて行く機会もないですし、久しぶりに来られて良かったです」
「ちゃんと覚えとけよ。今日のデートで此処に来たのは過去のオレだってこと」
「!」
「オレもぜってぇ忘れねーから。最後のデートは14歳のカノとじゃなく、26歳のオマエとだってこと…ちゃんと覚えとくから」
「…はい、絶対に忘れたりしません。今日の思い出はちゃんと記憶して帰ります」
「……………」
マイキーが眉を下げて一瞬悲しそうにしたのをカノトは見逃さなかった。
「万次郎くん…?」
「ん?」
「いえ…何でもないです」
「…そろそろ出るか」
「随分長くいましたね」
「この後はオレの部屋に直行な。外だと抱きしめたりキスできねぇから色々と辛い。正直もうカノ不足で死にそう」
マイキーは深く溜息を吐き捨てた。
「だから早く帰ってイチャイチャしよ!」
「そういえば…パジャマは持って来なくてもいいって言ってましたけど…私の着替えはどうするんです?」
「心配すんなって。ちゃんとオレのスウェット貸してやるから♪」
「何で万次郎くんのスウェット?」
「着てほしいから」
「(そんな真面目な顔で言われても…)」
「可愛い彼女がオレのスウェット着るんだぞ?そんなの興奮するに決まってんじゃん」
「さてはそれが目的ですね?」
本音を隠そうともしないマイキーの清々しさに思わず呆れ返ってしまう。
「カノがオレのスウェット着るところ見たい。ダメ?」
「そういう聞き方はズルい。私が万次郎くんの我儘拒否できないって知ってるくせに」
「ズルくてゴメンな。オレ、カノに拒否られんのだけはイヤだからさ、我儘全部聞いて頷いてよ」
「どこの我儘大王ですか。
まぁ…万次郎くんの我儘は…」
「何やかんやで付き合うのが楽しい、だろ?」
言葉の続きを見透かされていたのか、先に言われてしまい、マイキーを見るとニコニコと笑っている。
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