第50章 最後のデート
「隠し撮りってひでぇな〜。大好きなカノジョの最高の瞬間を逃すまいと撮っただけなのに犯罪者扱いするなんて」
「とにかく!!一度見せてください!!」
「きゃ〜えっち〜❤︎」
手を伸ばして携帯を奪おうとすると、普段より少し声を高くしたマイキーが、カノトに奪われまいと隠すように携帯を胸に押し当てる。
「ふざけてないで見せてくださいってば!」
「やだ❤︎」
「じゃあどんな写真撮ったのかだけ教えてください!」
「…本当に言っていいの?」
「え?」
「オレがカノのどんな写メ撮ったのか…マジで聞きたい?多分カノの顔が真っ赤になって羞恥で悶えるくらい、恥ずかしいのあるけど?」
「それは…」
「例えばヤッた後にオマエの…」
「っ!や、やっぱいいです…!」
「教えろって言ったのはカノじゃん。ナイショにしておきたかったけど仕方ねぇから特別に見せてや…」
「万次郎くんの胸の中に留めておいてくれればもう十分ですから!!」
真っ赤な顔で片手を突き出し、写真の公開を拒絶するカノトを見たマイキーが可笑しそうに笑った。
「そ?ならやっぱり内緒にしとく。つーかカノ、顔真っ赤。一体どんなエロい写真だと思ってんの?」
「っ〜〜〜!!」
「(あーホント…オレの彼女マジで可愛い。そんなエロい写メは撮ってねーけど、これ以上意地悪すると泣きそうだし止めとくか。)」
「…誰にも見せないでくださいよ」
「見せるはずねーじゃん。オマエのえっちで可愛い姿はオレだけが知ってればいい。もしカノのそういう姿見た奴は生かしておかねーけどな❤︎」
にっこり…と怒気を含んだ顔で笑うマイキーに"万次郎くんなら本気で殺りそう"とカノトはその時のことを想像した。
「な、写メ撮ったらさ、待ち受けにしよ。次もオレのかっこいーところ撮って。」
「いいですよ。私も可愛く撮ってください」
「カノはいつだって可愛いよ。むしろ可愛くない時なんてねーし」
「あり…がとう…ございます」
「照れてる〜❤︎」
「照れてません!」
そう言って否定しつつも、カノトの頬はほんのり紅く染まっている。
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