第50章 最後のデート
「イヤリングも付けてきてくれたんだな。それって祭りの時に射的で獲ってヤツだろ?」
「はい」
紫の花と白い花が浮かんだガラス玉のイヤリングを付けてきた。当然それに気付いたマイキーがイヤリングに視線を向けながら言う。
「あの時のカノ、オレのこと無意識にじっと見つめてきてすげェ可愛かったなー❤︎」
「!?」
「ずっとオマエのことが好きで、告白の返事は保留だったけど、何度断られてもぜってーオレのモノにするって決めてた」
「"男でも関係ない"、そう言ってくれた万次郎くんの言葉に嘘はなかったんですよね。本当に私を好きでい続けてくれて、恋人になった今でも深い愛を私に注いでくれる」
「カノが男でも関係ねェのは本当だったし。オレは"オマエ自身"に惹かれた。だから好きになった。ま、今じゃ深すぎて引くくらいの愛をオマエにたくさん注いでるけどな❤︎」
愛おしげな眼差しを向け、今日もたくさんのハートをカノトに飛ばすマイキー。
「なぁ、写メらして。今日もオレの恋人が激カワだから記念に撮らねーと。」
「万次郎くんも撮っていいですか?」
「いいに決まってんじゃん。カノの携帯の写真フォルダはオレでいっぱいにしてくんねーとやだ」
「(何その可愛い我儘。)」
「ちなみにオレの写真フォルダは今まで撮ったカノの写メでほぼ埋まってる」
「?そんなに撮られた覚えないんですが…」
「そりゃあ、内緒で撮ったのもあるし」
「は?いつ撮ったんです?」
「ナイショ〜❤︎」
携帯を出しながら楽しそうに声を弾ませ、ニマニマと機嫌良く笑うマイキーに嫌な予感がしたカノトは更に問い詰める。
「ちょっと見せてください。万次郎くんの携帯の写真フォルダ。どんなの撮ったか知りたいです」
「見せたら消せって言うからダメ」
「消すほどの写真ってことは…」
「カノの恥ずかしい写真だったり?」
「何ですそれ!?」
「あとはー…えっちな写真とか?」
「そんなものいつ撮ったんです…!!」
「カノが気付いてない時♪」
「隠し撮りは犯罪ですよ!?」
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